2013
01.24

2013年1月22日(火)、鳥取県中小企業家同友会 米子支部の例会に参加させて頂きました。この日は、『経営者が変われば会社も変わる』~次代の荒波に立ち向かう経営者の姿とは~と題して、㈱クニヨシ(広島県福山市) 代表取締役 早間雄大さんの報告を聴かせて頂きました。早間さんは、2012年10月に島根県で開催された、第40回青年経営者全国交流会でも報告(第二分科会)されています。私は別の分科会の担当ということもあり、聴くことができませんでしたので、今回は大変楽しみにしていました。

㈱クニヨシは、鉄・ステンレス等の一次加工・溶接等を行う会社です。早間さんは、27歳の時に家業として経営されていた㈱クニヨシに入社され、依存度の高かった親会社の倒産や主要顧客との決別などの経営危機を乗り越えながら、現在では従業員30名を超える企業にまで成長させていらっしゃいます。また、ちょうど10年前同友会に入会し、それも一つの契機として「家業から企業へ」の転換を決心され、従業員を雇用し、会社の方向性を定め、事業を発展させてこられました。今回、その経緯の一端と早間さんの考える中小企業が成長する秘訣を伺い、今後の当社の運営にも大きな示唆を頂きました。私が同友会に入会して以降聴いた報告の中でベスト3に入る内容でした。残念なのは少し時間が短かったこと。もっと詳しく伺えていたら、私のベスト1だったと思います。

㈱クニヨシ 代表取締役 早間雄大さん

1.「家業から社業へ」~自分の理想の実現には社員が不可欠~

早間さんは、㈱クニヨシに入社して5年目、寝る時間を極限まで削って働く日々を過ごしながらも状況が全く改善しない状況から、家業として会社を運営していることの限界を感じ、「家業から社業へ」の転換を図ることを決心されます。その具体策とは、「従業員を雇用すること」。家業として経営するのでも苦しいのに、その時に社員を増やして経費が増えれば益々大変になる、そう考えるのが自然ではないかと思います。

このことに関連し、本例会の最後の質問事項の中で「従業員を雇用する判断した時不安はなかったですか?給料が払えないのではないか?直ぐに辞めてしまうのではないか?と考えませんでしたか?」という問いかけがありました。これに対し、早間さんは「不安はあった。悩んで悩んだ。しかし、家業では良くならない、一生懸命やって来ても変わらなかった。であるならば、自分のやりたいようにやるべきと決断した。」と話されました。「自分の理想を実現するためには社員が不可欠」と社長が確信したこと。それが現在の㈱クニヨシをつくり上げた原点ではないかと感じます。

㈱クニヨシの経営理念は、「社員の物心両面の幸せを追求する」です。社員第一の考え方を前面に出した理念となっています。当初の理念には“お客様の満足”といった文言もあったようですが、現在は社員のことだけが示されています。これは、社員の満足度が上がればお客さまにも喜んでもらえるようになる、という考え方に基づかれています。このため、社員教育においても「自主的に考え、行動する」社員の教育を進め、指示ではなく、「説得」「納得」を心がけているとのことです。現在では、社員のみなさんが「勝手に」、会議、朝礼、掃除などを行うようになったそうです。この辺りの経緯も、もう少し伺いたいところでしたが、いずれにしても、将来目指す姿を経営者が明確に決めたこと。それが今日の㈱クニヨシを形づくっていることは間違いありません。

2.毎回のちょっと、ちょっとのハードルを超えることが将来の種まきにつながる

早間さんは、「経営者が勘違いしなければ、きっと中小企業は成長する」と明言されます。

その理由は、中小企業には不思議と身の丈に合った仕事が来る、という性質があるからだそうです。確かに、いきなり桁違いの金額やスケールの仕事が来ることはありません。そして、その身の丈にあった仕事の中でも、「ちょっと大きい」とか、「ちょっと長い」仕事をクリアしていくことが成長につながる、という経験を話されました。“ちょっと大きい”とは、作っても工場から出すことができない大きな物件を半分ずつ分割して製作することで上手く対応したこと。“ちょっと長い”とは、工場に入りきらない長さの依頼物件に対して工場の外壁を壊して対応したこと。いずれも、面白おかしく話しをされました。しかし、“ちょっとだけ”ハードルの高い案件をクリアしていくことで、会社、そして従業員が成長し、さらに将来の種まきにつながる。その継続が、現在の仕事として顕在化している、ということだと理解しています。

もう一つは、「中小企業のシェアは知れている」という捉え方です。早間社長は、自社のことを振り返って、「昔はとにかく仕事がなかった。でも、今は元気いっぱい。中小企業には好景気・不景気は関係ない。」と話されます。㈱クニヨシは家業から社業への転換以来、順調に成長されています。その間には様々な外部環境の変化があったでしょう。現在は、年商4億円程度の事業規模とのことですが、それでも全製造業の市場規模の中からみればごくわずかなもの、と考える訳です。だから、世の中にはいくらで仕事がある。後はその中で売上を上げやすい仕組みづくり、利益を出しやすい仕組みづくりを経営者が実行していくだけ。そうすれば、外部環境の変化に関わらず会社を伸ばすことは可能だと、自ら証明されています。仕事はいくらでもある。その前向きな捉え方こそ原点だと感じます。

もちろん、前向きな発想だけで仕事が来る訳ではありません。報告では、㈱クニヨシにおける具体的な方策として、「型鋼加工」という技術に特化して川上から川下までの包括的な受注に取り組むこと(特化することによるブランド戦略)、他社と同じ土俵で勝負するものと独自路線とを見極め自社の将来に必要な設備を導入、一社依存で苦い想いをした経験から取引先業界を分散させてリスクヘッジを行う等、の話を伺いました。その戦略性についても大いに学ばせて頂きましたが、このあたりは別の機会にもっと詳しく伺ってみたいところです。

3.その場所にずっといると、自分の立ち位置が見えてこない

早間さんは、同友会の活動にも大変積極的に取り組まれており、広島同友会の理事であり、青年部会連絡協議会会長も務められています。例会などの定例的な活動だけでなく、様々な会合、今回のように他県に出向いての報告など、忙しい合間を縫って、しかし、ほとんど断ること無く、同友会活動に力を注がれているそうです。

なぜ、そこまでするのか。それは、「その場所にずっといると自分の立ち位置がみえず、じり貧になる。」からだそうです。ここで言う“その場所”とは、一つは自分の会社の中であり、外の世界を見ることが必要だということ。その一例が同友会での活動でしょう。さらには、同友会でも、自分の地域の同友会だけでなく、全国の様々な同友会をみることでさらに立ち位置が明確になってくる。自社に足りないところが次々と見えてくる、という訳です。不足するところが浮き彫りになれば、そこを攻めていく。その繰り返しで、自社をよくされてきたこの10年間の実績と自信が、その言葉の正しさを物語っています。

ところで、早間さんは、18歳から26歳まで、「海外放浪の旅」に出ていたそうです。“バックパッカー”と呼ばれるそうですが、旅から戻ると日本で小金を稼いではまた海外を旅する、という繰り返しで様々な国を巡る8年間を過ごされたとのこと。それはそれですごい経験ですが、自社や自分の所属する組織だけに留まらず、様々なステージに飛び込んでいく行動力は、この時の経験にも大きく影響されているのでしょう。さらに、旅をして外に出ることで、自分の居場所の良いところも悪いところも分かる、ということを体感的に理解されているのでしょう。

多くの経営者は、いまから海外放浪の旅に出ることはできません。しかし、同友会をはじめ様々な学びの会に飛び込み、そこで地域の、さらには全国の様々な経営者と交流を持つという“経営を学ぶ旅”に出ることは可能です。その目的は、自社の立ち位置を明確にすること。そして今後進むべき方向を明らかにし、それを決断することです。今回、自分自身が求める姿を実現するためには、外に出ることに億劫にならず、進んで出かけていくことが必須であることを再確認し、そのための勇気を頂くことが出来ました。本当にいいお話でした。

例会の様子(グループ討議終了後の発表)

例会の最後に、参加者からの早間さんにたくさんの質問があり、その中で、興味深い回答がありました。「社員とのコミュニケーションはどうされていますか?、という問いかけに対し、「大事なことではあるが、特に重要視していない。たくさんある大事なことの一つ。それよりも、いい会社をつくることが基本。」と話されました。とかく、コミュニケーションという言葉が溢れ、経営上も重要課題として取り上げられることも多々あるご時世に、なんという自然体の回答。しかも本質を突いている。前述のとおり、若い時から国内外で様々な形の交流を経験してきた早間さんだからこそ、という面もあるでしょうが、ともすれば、コミュニケーションと言う言葉に縛られ、社員も経営者もお互いに気を使ったり、使われたり、というのも実態です。その中で、とても気持ちを楽にさせてもらえ、また、物事の本質を気づかせてもらうことが出来る言葉でした。次の機会には、もっと多くの事を学ばせて頂きたい、本当にそう感じさせて頂ける、すばらしい報告でした。今後の早間さんの、㈱クニヨシの益々のご活躍・ご発展を確信します。

2013
01.17

社長の温泉めぐり52 鷺の湯温泉(旅館「竹葉」) 島根県安来市

私はさほど風呂好き・温泉好きではありませんが、温泉開発を行う会社の社長として、温泉に詳しくなければ説得力がありません。そこで、仕事や私用で出かけた先で温泉を巡り、少しずつ記事にしていくことにしました。温泉ソムリエらしいコメントにも配慮したいと思います。

52箇所目は、島根県安来市の鷺の湯(さぎのゆ)温泉の旅館「竹葉」(ちくよう)です。訪問日は、2012年1月12日です。なお、この旅館の女将は、私の高校の同級生です。とても活動的で一生懸命、おもてなしの心に満ちた大変素晴らしい、尊敬する経営者です。このため、少し良く書き過ぎたかもしれませんが(笑)、ぜひご一読下さい。

「竹葉」全景~足立美術館から徒歩30秒~

鷺の湯温泉は、開湯が戦国時代にさかのぼる歴史ある温泉です。現在は、世界一の庭園として名を馳せる「足立美術館」に隣接した温泉地、としても有名になりました。現在活用されている泉源は平成7年に開発されたもので、泉温54.5℃、湧出量毎分600㍑という泉温・湧出量、共に優れた温泉井です。現在、3軒の温泉旅館と2つの公共施設に供給されており、いずれの施設も24時間かけ流しでお湯を利用(入浴可能時間は各施設によります)されています。竹葉は、その鷺の湯温泉旅館の中の1つです。客室は、全7室、定員18名というこじんまりとした旅館で、女将とご主人のご夫婦が中心に切り盛りされる、親しみあるおもてなしが魅力の宿です。この度、宴会利用の機会があり、お風呂も利用させて頂きましたので、紹介させて頂きます。

鷺の湯温泉の泉質は、含放射能‐ナトリウム・カルシウム‐塩化物・硫酸塩泉。お湯は無色透明です。成分分析表によると、成分総計は1.22g/kg。あまり濃くない泉質なので、湯あたりもしにくく、かつ適度な成分量を有する、入りやすいバランスのとれた温泉と言えます。泉質の特徴としては、塩化物泉の持つ「温まりの湯」の効果と、硫酸塩泉の「傷の湯」の効果を合わせ持ちます。体が温まりやすく、傷の治癒にも効果が期待できます。また、美肌の湯としてみると、ナトリウム-硫酸塩泉は、皮膚に皮膜をつくるしっとり肌効果、カルシウム-硫酸塩泉は、肌の弾力回復や引き締め効果、が高いとされており、その両方の特性を有しています。そして、この温泉は、かけ流しで常に新鮮なお湯を利用することができるという恵まれた環境にあり、泉質の持つ特性も最大限に享受できます。さらに、竹葉で提供されるマクロビオティック食(後述)等の健康食と温泉との組み合わせは、体の中外から改善を図ることが期待され、健康と美容を追求する方に好適な温泉宿と言えるでしょう。

雪景色の露天風呂は風情満点

お風呂は、内湯と露天風呂の構成です。男女浴室は入替制で、夜と朝で違ったお風呂を利用できるようですが、私が入浴した時の男湯は「檜風呂」のタイプでした。浴槽の外枠、中の腰掛、さらには浴槽の床板まで全て檜となっており、お湯に浸かった時のお尻や足の裏の肌感が大変心地よく、気持ちよく入浴ができます。露天風呂は、岩風呂風になっており、中庭を遠めに望む風情あふれる造りとなっています。余談ながら、露天風呂は男湯と女湯の間を仕切り板で区切ってあるのですが、岩風呂の岩と板との隙間に少しだけ手が入るところがあり、向う側と指先だけ触れあうことができます。遊び心であえて隙間が作られているそうです。家族や友人連れで入浴した際のちょっとした想い出づくりにもなる、とても微笑ましい仕掛けです。

内湯、露天風呂とも24時間源泉かけ流し(一部清掃時間を除く)で、常に新鮮なお湯にたっぷり浸かれる贅沢は、この温泉の大きな特徴です。源泉は加水されていないので、さし湯されている源泉は少し熱めです。お風呂自体も少し熱めになっていますので、一度に長く浸かり過ぎず、時間をかけて繰り返し入るのがいいと思います。その意味でも、日帰りよりも、宿泊してゆっくり利用するのに適した温泉と言えるでしょう。

洗い場は3箇所、シャンプー、コンディショナー、ボディソープが備わっています。シャワーはお湯と水とそれぞれに泉をひねって調整するタイプですが、どうやらお湯は熱水が出ないように調整されているようで、普通に蛇口をひねると適温のシャワーが使えるようになっていました。熱湯でやけどしないようにする、ちょっとした気遣いです。なお、脱衣場には鍵付きのロッカーは無く、籠に衣類を入れておく形式です。日帰り入浴の場合は、受付に貴重品を預けることも可能です。洗面台は2箇所、それぞれにドライヤーがありました。その他、貸切風呂(家族風呂)もあります。こちらは内湯だけのようですが、予約不要とのことで、来館ついで気軽に利用できるようになっています。

利用料金ですが、日帰り入浴の場合は大人500円となっています。鷺の湯温泉の公共施設、「夢ランドしらさぎ」や「ふれあいプラザ」などと同じ料金設定です。また、お食事処を利用した方は、半額の250円になりますのでお得です。どうしても大きなお風呂がいいという方以外は、お得なお値段と風情ある露天風呂、足立美術館から徒歩30秒の利便性なども加味して、こちらで入浴という選択肢も大いにあり得ます。

竹葉では、昼間はお食事処としても営業されており、地元無農薬・減農薬野菜中心の「マクロビオティックランチ」が人気メニューとなっています。また、要予約ですが、女将自ら企画調理する季節感豊かな「薬膳料理」など、地元食材で美容と健康に配慮した食の魅力も竹葉の特徴となっています。なお、このマクロビオティックですが、私も話のネタにと一度頂きました。こんな食材にこんな調理方法があるのかと、思いがけない発見がある一方、当然ながら、ガッツリ食べたい肉食系の男性諸氏には向きませんので、ご承知置き頂きたいと思います(笑)。

女将の小幡美香さん~島根を代表する美人女将です~

鷺の湯温泉、足立美術館横にたたずむ「竹葉」。モットーは『小粒でキラリ☆』。決して派手さはありませんが、おもてなしの心に満ちた女将とご主人、従業員のみなさんが迎えて下さる、温かみ溢れる宿です。お食事処や日帰り入浴など、敷居が低く気軽に立ち寄れるところも魅力です。島根にお越しの方、また、島根にお住まいの方も、是非一度ご利用下さい。なお、女将さんは多忙につきご不在のことも多いので、女将目当ての方は事前に予定を確認されることをお勧めします。

女将のブログはこちら ~神話の国☆島根県出雲路~ 温泉旅館『竹葉』女将の二の腕繁盛記

2013
01.10

社長の温泉めぐり51 出雲須佐温泉(ゆかり館) 島根県出雲市佐田町

私はさほど風呂好き・温泉好きではありませんが、温泉開発を行う会社の社長として、温泉に詳しくなければ説得力がありません。そこで、仕事や私用で出かけた先で温泉を巡り、少しずつ記事にしていくことにしました。温泉ソムリエらしいコメントにも配慮したいと思います。

2013年の最初、温泉めぐり51箇所目は、島根県出雲市佐田町市の「出雲須佐温泉 ゆかり館」です。出雲須佐温泉 ゆかり館は、出雲国風土記にも名前が出てくる歴史ある神社、須佐神社に隣接する温泉施設です。須佐神社は、一時、マスコミで強力なパワースポットとして大きく取り上げられ全国的に知名度を上げたことでも知られます。その隣接地にある「ゆかり館」は、温泉を中心に、お食事、宿泊、宴会・披露宴などに対応する、地域の大型拠点施設として活用されています。訪問日は、2013年1月3日です。

ゆかり館 外観(当日は雪の舞う天候)

出雲須佐温泉の泉質は、ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉です。成分分析表によると、成分総計6.478g/kgと中々の含有成分量を誇り、泉温41.0℃、湧出量は毎分200㍑に達するなど、源泉のポテンシャルは中々のものです。ただし、豊富な湯量を誇ってはいますが、かけ流し式ではなく循環式が採用されています。成分的にみると、硫酸イオンの含有量が特に多いのが特徴です。硫酸塩泉は、一言で表現すると「傷の湯、脳卒中の湯」と言われ、傷や火傷の治癒効果が高く、血圧の高い人にも効果があるとされています。また、硫酸塩泉は、美肌の湯としても効果があります。ナトリウム-硫酸塩泉は、皮膚に皮膜をつくる“しっとり肌”効果、カルシウム-硫酸塩泉は、肌の弾力の回復や引き締め効果、があるとされます。この温泉は両方の特性を備えていますので、美肌めあての女性の方にとっても魅力的な泉質と言えます。

また、泉質上の特性として珍しいPRが行われていました。それは、「19種類ある温泉法の基準のうち5種類を規定以上に含む全国的にみても大変珍しい温泉です。」と、パンフレットや施設内のチラシ等に記載されています。詳しくは、現地でご確認頂きたいですが、温泉法に基づく珍しい適合成分を含むのは確かで、中々面白い紹介の仕方です。

温泉入口(受付とロビー)

浴室は、大きなドーナツ型の空間を切り取ったような形状で、男湯と女湯で半分に分けているようなイメージです。室内は、緩やかな曲線で構成された造りで、柔らかい印象を与えます。仕上げは基本的にタイル張りで構成されており、室内は外の明かりをふんだんに取り入れ、とても明るく健康的なイメージもあります。大浴槽のほか、気泡風呂、ジェット風呂、打たせ湯、水風呂、さらにサウナが備わっています。気泡風呂やジェット風呂は、成分が濃い場合は水道水が使われる場合もありますが、ここではいずれも温泉水が利用されています。露天風呂もありますが、やや狭目で周囲を囲まれており、開放感という意味ではやや低めだったのが残念でした。また、浴槽内のタイルが剥がれ、補修されているところがかなり目立ちました。施設自体にさほど古さを感じないので少し意外でした。

洗い場は12箇所、仕切りは無いタイプで間隔はやや狭めです。ボディソープとリンスインシャンプーが備えてありました。脱衣場のロッカーは60個弱、鍵がないタイプで棚に籠が置いてあり、そこに衣服を入れる形式です。このため、温泉入口のロビーにある貴重品入れを活用するように説明されます。なお、女湯の脱衣場には鍵付きのロッカーがあるらしく、籠式のロッカーは男湯だけとのことでした。男湯も早く鍵付きロッカーになるといいかと思います。洗面は4箇所でドライヤーも4つ備わっています。ただ、やや席の間隔が狭く、4人一度にならぶとすこし窮屈な印象でした。脱衣場には冷水器が備えてあり、入浴前後の水分補給ができるようになっており、いいと思います。

利用料は大人500円。出雲市内の公的な日帰り温泉施設の利用料は500円となっているところが多いので、相場的な価格と言えます。建築的には、川辺の地形を上手く利用した造りが特徴的で、ボリューム感ある建物とする一方、大きな中庭には水が張られ高級感を醸し出しています。地域の中核施設としての風格を備えています。

施設中庭の様子

今回訪れたのは、お正月の1月3日の昼時でした。駐車場は、隣接する須佐神社と共用するような形になっており、初詣に来られた多くの参拝者でにぎわっていました。施設に入ると、お食事処が人で溢れ、そして宴会場がかなりの賑わいが漏れ聞こえてきました。地域の交流施設として、年末年始の宴会利用でも活用されているようです。初詣の前後でひと風呂浴びる、という方も多かったようで、お風呂場も中々の賑わいを見せていました。パワースポットとして一躍全国区となった須佐神社への訪問とセットでの入浴がお勧めの温泉と言えます。

2013
01.04

新年あけましておめでとうございます。旧年中はたいへんお世話になりました。

このブログも毎月1000人の方に閲覧して頂けるまでになりました。2012年の訪問者数は、2011年の1.5倍に増えました。たくさんのみなさんに読んで頂いており、本当に感謝いたします。引き続きのご愛顧をよろしくお願い致します。

さて、平成24年は、協和地建コンサルタントにとって大きな変革の年となりました。平成25年度はその変革をさらに進め、大きな飛躍の年にしたいと考えています。昨年に引き続き、この年末年始に頭に描いた今年やるべきことについて整理し、ご挨拶とします。

1.経営指針の深化とさらなる実践~全員で創り上げる経営指針への第一歩~

平成25年は、経営指針を深化させる年とし、全員経営に向けた第一歩とします。

当社は、平成24年度から、経営指針(経営理念、経営方針、経営計画)を新たに定め、経営指針に則った経営の実践を進めてきました。社員のみなさんをはじめ、協力会社、金融機関、その他関係者のみなさまにご理解頂き、平成24年度の事業運営は順調に進んでいます。あと3カ月で今年度の決算を迎えますが、経営指針元年をいい決算で締めくくれるよう、さらなる努力を積み重ねて行きたいと考えています。現在、平成25年度の経営指針の策定に向けて準備を進めており、平成25年3月に、当社にとって第2回目の経営指針発表会を予定しています。主には、“経営計画”の部分を25年度計画として提示することになりますが、より上位の経営方針についても、この1年の実践結果を踏まえて、より精査していきたいと考えています。

さらに、今回の経営指針発表会は、“全社員でつくり上げる経営指針”の実践に向けた第一歩にしたいと考えています。昨年度の策定した経営指針は、基本的に社長である私が一人で創りました。最初はそれでよかったと思います。しかし、ずっとそれではいけません。当社も、小さいながらも組織で事業運営を進めています。その組織としてどういう方向を描くのか、どのような目標を立て、どう具体的に実践していくの、これは、その組織のレベルで自ら考え、立案し、実践に移せることが大事だと考えるからです。次回の経営指針ではその第一歩として、各部計画の策定から発表までをそれぞれの部署単位で実施することを予定しています。

目指すは“全員経営”とでもいうべき状態ですが、一朝一夕には出来あがりません。しかし、第一歩を踏み出さなければ、その先もない。だから、当社の経営指針と経営指針発表会は、毎年少しずつ“深化”させる。その行き着く先を展望しながら、取組んでいきたいと考えています。

昨年の経営指針発表会の様子

2.地中熱活用の付加価値向上~再生可能エネルギー・省エネ技術のベストミックス~

平成24年8月より、本社屋に地中熱ヒートポンプ空調システムを導入し、5カ月が経過しました。この間、細かなトラブルは色々ありましたが、システムは順調に稼働しています。システムの普及に向けて重要なのは運転データの計測と分析だと認識しています。当社のシステムがその仕様と与えられた条件下でどの程度の能力を発揮するのか、また、実際の運用上の課題としてどういったことがあるのか、まだまだ把握すべき点が多々あります。その部分を徹底して把握していく努力を今後とも継続していきます。

そしてもう一つ大事なこととして、多様な再生可能エネルギーの同時活用と省エネ技術とのベストミックスの追求が必要と考えています。当初、私はこの地中熱というエネルギーを、「地中熱だけ」で売り込むことを想定していました。もちろんそれもいいのですが、この地中熱は、それ自体で電気エネルギーを発生させるものではありません(この部分、「地熱発電」とよく誤解されます。)。ヒートポンプを使うことによってより効果率を高めることが出来る省エネ技術であるため、太陽光発電などのその他の再生可能エネルギーとの親和性が高い、という特徴があります。さらに、地中熱システム導入を通じて改めて感じたのは、建物の断熱性能が空調のエネルギーに大きく影響するということです。つまり、「空調」の効率化は、エネルギー源の効率化だけでは不十分である、ということです。

いずれも、知っている人にとっては当たり前のことなのですが、それも含めてエネルギー全体の有効活用を提案できる、或いは助言できるノウハウを有した企業は必ずしも多くありません。自分の得意とするエネルギーのことだけに特化しても、本当の意味でのお客様の問題解決につながらない可能性があります。当社にとっては、地中熱を基軸としながら、その他の再生可能エネルギーや省エネ技術のベストミックスまで提案できる技術力、提案力を身に付けることが今後の課題であり、次年度の経営指針に示すべき方向の一つと認識しています。

地中熱ヒートポンプ空調システム(機械室)

3.継続した人財登用によるダイバーシティ~来たるべきイノベーションに向けて~

当社では、昨年の4月から2名の高校新卒の新入職員を迎えました。入社から9カ月が経過しましたが、元気に頑張ってくれています。この9カ月を通じて感じるのは、新しい人財が入ることによる組織への影響とはかくも大きなものなのか、ということです。

当社の要員計画は、長らく縮小或いは現状維持が基本となっていました。そのことは、単に“要員が少ない”ということだけでなく、当社にとって大きな弱点になっていたのではないかと感じてます。それは、長期間にわたりほぼ同じメンバーで仕事をする環境が続いたことで、その間に「同質化」が進んだ、ということです。同質が悪いわけではありません。しかし、同質化することによる弊害が強くなりつつあったと考えています。一番は、新しいことへの挑戦、新たな価値の創出といったことへの関心や意欲の低下、そして実行力の欠如です。現状に対して何とかしなければならないという気持が有りはするものの、どうしていいか分からない、という状況です。

その状況を打破する一つの方策が、新しい人財の活用です。これまで当社に居なかった多様な人財がもたらす価値観や能力、さらには積極性、熱意によって当社の新しい価値が生み出される。一般の企業が普通に続けていることを、遅ればせながらでも実行するということです。幸いにも、当社には目指すべき方向を定めた経営指針がある。これを実践し続ければ、いわゆる“イノベーション”にもつながるかもしれません。今、私がやるべきは、その可能性を信じ、勇気を持って新しい人財を登用し、その活躍の場を準備することだと考えています。そのために新卒採用を続けること。また、いいご縁がなければ、例えば最初は正社員でなくても登用してみる、といった対応など、継続した人財登用によるダイバーシティがもたらす可能性を追求していく姿勢は必ず持ち続けたいと考えています。

平成24年度入社式の様子

以上、経営者として今年やるべきことと来年度に向けた方向性(の一部)をまとめ、新年のご挨拶に代えさせて頂きます。お客さまに、共に働く仲間に、我々を取り巻く全ての方々に対して感謝し、明るく元気に、一年を乗り切って行きたいと思います。

平成25年、そしてその先も、協和地建コンサルタントをよろしくお願い致します。