2014
11.28

2014年11月22日、島根県技術士会青年部会の主催で、平成25年度島根県技術士会青年部会企画 産学交流会が開催されました。この企画は、平成19年度から島根大学、松江高専との産学交流会イベントとして実施されているもので、技術者を目指す学生を支援する目的で開催されています。これまで計7回開催されており、私は、2009年度2011年度2012年度に続き、4回目の参加です。今年は、島根県民会館を会場に、島根県技術士会、島根大学(学生)、松江高専(学生)、日本技術士会中国本部青年技術士交流会、から約30名の参加がありました。毎回のことではありますが、島根大学及び松江高専の学生と交流しながら、一緒に課題解決に向けて“頭を使っていく”ということが、社会人にとっても大いに学びにつながると実感するところです。今回の取り組みについて簡単にまとめてみます。

全体の様子

1.「大根島」、「外国人」、「製品開発」で独自の視点を見出す

今回、約30名の参加者を4~5名のグループ7班に分け、演習課題に取り組みました。

テーマは、『大根島(松江市八束町)への外国人来訪者を増やすためにどのような製品を開発し、どうやってPRすればよいか?』というもので、その方策をトータルに考える、というものでした。企画を担当して下さった方が、後述する“エンジニアリング・デザイン”という観点も踏まえて工夫して設定して下さったものです。

会場である島根県民会館の会議室から大根島までは車で15分程度です。交流会の開催時間は10:00~17:00まで。その間に、実際に大根島の現地を見て回り、前述したテーマに沿うようなアイデアを立案して発表する、というところまでが演習です。限られた時間をどれだけ有効活用できるか、優れた着眼点を持てるか、チームメンバー(学生2~3名、技術士2~3名)で適切に役割分担できるか、などがポイントになります。

最終的には、各グループとも独自の発想でそれぞれの提案を取りまとめることが出来ました。大根島と言えば『牡丹』が特産品として最も著名であり、そこに着眼したグループが一番多かったですが、中にはマイナーな地域資源を取り上げたグループもあり、チームの個性が出ていて、面白い成果を見せてもらうことが出来ました。

今回、テーマ設定に気を使っていたなと感じるのは、『外国人』をターゲットにするということ、また、製品のアイデアだけでなく、どうやって『PR』するのかについても言及するよう求めた点です。外国人という視点がなければ普通のまちづくり提案(それでも十分難しいですが)になってしまいます。しかしその視点を入れることで、(日頃外国人の方と接する機会の多い人は違うかもしれませんが、)自分達の今までの常識の範囲外のところで発想していかなければならなくなります。それが「考える」ということにつながり、日々の生活の中では気が付かなかった新しい発想を導き出すことにつながります。そういった頭を使わせることに留意したこの取り組み、日頃の仕事で頭が固くなってしまいがちな我々大人こそ、こういった取り組みにもっと参加していくべきではないでしょうか。

各グル―プでの話し合い

2.『エンジニアリング・デザイン』を知る

今回の交流会で、私の耳に残ったキーワードは「エンジニアリング・デザイン」というワードです。島根大学の方では、今回の交流会での演習を、エンジニアリング・デザインの学習の場にする、という意向があったようです。私自身耳慣れない言葉でしたが、後で調べてみると、技術者として認識しておく必要のある視点でしたので、まとめておきます。

エンジニアリング・デザインとは、『数学、基礎科学、エンジニアリング・サイエンス(数学と基礎科学の上に築かれた応用のための科学とテクノロジーの知識体系)および人文社会科学等の学習成果を集約し、 経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性などの現実的な条件の範囲内で、ニーズに合ったシステム、エレメント(コンポーネント)、方法を開発する、創造的、反復的で、オープンエンドなプロセスである。』と定義されるようです。(一般社団法人 日本技術者教育認定機構(JABEE)資料による)

もう少し平たく言えば、なんらかの製品を造ろうとする時、どのような形に作るかを考え始めるスタートから、作るための情報を集め、工夫をし、プロトタイプを作るなど試行錯誤し、「設計」としてまとめあげるまでの一連のプロセスのことを指すようです。今回の演習は、情報を集め、工夫し、プロトタイプを作るためのアイデア出し、といったところでしょうか。

日本語で“デザイン”というと、意匠や外観のデザインをイメージしますが、英語のDesignは、工業製品等の設計開発なども含まれるそうです。そして、工業製品の場合、製品の設計を行うプロセスと、実際の製造を行うプロセスに分けられますが、エンジニアリング・デザインとは、その設計を行うプロセスまでを指します。その過程で、製品デザインをどう具体化し、実現していくのかはまさに技術者の活動であり、技術力そのものと言えるでしょう。そしてその活動は、製品開発だけでなく、社会人生活における全ての活動に反映できるものだと思います。学生がそれを鍛えるための演習の一助となれば、今回の企画も大いに意義あるものとなるでしょう。

ipadを使ったプレゼンテーション作成

3.ipadを利用したプレゼンテーションで固定概念を打破

今回、各チームにおける検討果は、タブレット(ipad)で作成し、会場のスクリーンに映写してプレゼンテーションするという試みが取り入れられていました。このプレゼンテーションの作成においても、学生が中心となり技術士会メンバーはフォローに回るという役割分担となりました。

私自身、タブレット端末(アンドロイド)は使ってはいますが、メールチェックやインターネットの閲覧等が主体で、タブレットのソフトウェアでプレゼンテーションを作成する、という作業は経験がありません。長年の慣れもあり、「アウトプットを作成するのはパソコン」、という固定概念から脱却できませんが、今回、直接的な作業には携わらなかったものの、学生の参加者が実際にプレゼンテーションをつくっていく過程をみて、時代の流れを実感する機会を得ました。どこでも作業できる利便性の中に、高レベルなアウトプットの作成ツールを共有させている訳です。もちろん、すべてのアウトプットの作成がタブレットに置き換わる訳ではないでしょうが、状況に合わせた使い分けを行い、自分自身の仕事の生産性を上げていくこととの必要性を感じたところです。

今回、私の所属したグループで一緒になった2名の学生は2人ともタブレットは初めて取り扱うということでしたが、最初こそ戸惑っていたものの、直ぐに慣れて作業していました。そして、限られた時間の中で、我々の助言も受け止めながらしっかりとしたアウトプットを作ってくれました。残念ながら賞を頂くことはできませんでしたが、私自身も新しいツールを使うということに挑戦していかなければならないと、改めて感じさせてもらえるいい機会となりました。

提案発表(プレゼンテーション)の様子

毎年恒例ですが、交流会終了後は、島根県技術会青年部の忘年会を開催します。日本技術士会中国本部青年技術士交流会からも参加して頂きます。地元同業他社の技術士の方々もいますし、建設業及び関連業以外の企業に属する技術士の方もいらっしゃいます。そういう間柄で、情報交換できる貴重な機会です。私も経営者としての付き合いや勉強会などに出かける機会が多くなり、こういった現場も実務者との交流の場が少なくなってきています。技術士会メンバーも会社に戻れば技術者である前に、一人のサラリーマンであり、中間管理職であったりします。そんな彼らがどのような問題意識や課題、また悩みを抱えているのかを伺い知ることもまた、私にとって大いに学びとなっています。最近は島根県技術士会の行事に参加する機会も少なくなっていますが、出来るだけ頑張って、多様な交流を続けていきたいと考えています。

2014
11.20

2014年11月15日(日)、松江市のくにびきメッセで開催された「2014松江市環境フェスティバル」に、地中熱ヒートポンプ空調システムの紹介、あわせて地熱に関する学習コーナーを出展しました。この催しは、松江市の主催により、松江市民をはじめ、環境に関心の高い事業者、NPO、行政・自治体、教育機関、報道関係者などの参加を募り、環境関連の情報発信や交流イベントなどを通じて、市民の環境意識を啓発することを目的に開催されるものです。当社は昨年初めて出展し、今年も2年連続で参加させて頂きました。こういった催しへの地道な参加が、会社、そして社員の成長につながると信じ、継続しています。今回の準備と当日の出展を通じた気づきをまとめておきます。

地熱利用学習コーナーが盛況

1.「地熱・地中熱」への反応の違いを実感する

今回の展示会を終えて一番の感想は、一般来場者の方の反応が一年前とずいぶん違うということです。当社が掲げたのは「地熱・地中熱」というキーワードですが、明らかに認識が高まっていると感じます。

例えば、一年前は「地中熱」というキーワードを知っている方はほとんどいませんでした。「へー、そんなものがあるんだ。」という反応。しかし、今回は、「あー、知ってます。これが普及するといいですよね。」という反応をして下さる方が少なからずいらっしゃいました。環境に関する展示会ですので、そういった方面に少なからず興味がある方が来場されている訳ですが、それでも反応の違いを感じられることは、継続してこうった催しに参加することの意義、そして肌感覚として理解することの大切さを感じます。

エネルギー関係の出展をされている企業の中でも、太陽光発電については複数社ありましたが、地熱・地中熱は当社のみです。まだまだマイナーなエネルギーであることは間違いありません。しかし、先般話題になった、電力会社が太陽光発電の買い取り受け入れを一時中断するという報道なども追い風となり、太陽光、風力、といった知名度の高かった再生可能エネルギー以外の選択肢について、関心が高まりつつある最中だったからかもしれません。

そう考えると、当社の出展内容は後述する手づくりパネルを除いて昨年度からあまり変化していない部分もありました。追い風が来ているかもしれない時です。手間はかかっても新しい情報、新しいメッセージを盛り込み、出展する側も常に進化していけるよう、努力していかなければならないというのが、終わってみてからの反省です。

2.地熱学習コーナーが子どもたちに好評

昨年と同様、出展企画の一環として「地熱利用学習」というコーナーを準備しました。ここでは、独立行政法人産業技術総合研究所(以下、「産総研」といいます。)が作成された地熱利用の理解促進を目的に、子どもでも楽しみながら地熱について学べる教材を利用させて頂きました。あわせて、地熱(温泉熱水)の多段階利用を表現するペーパークラフトの教材も準備されており、こちらも、昨年からイベントで利用させて頂いています。

実は、このフェスティバルの案内は市内の小中学校に配布されており、昨年も子ども連れの家族での来場が多くみられました。このため、今回は子どもへのアピールを重視し、親子で一緒に地熱の勉強をしたり、ペーパークラフト作成を楽しんだりしてもらうという視点で準備を進めました。その結果、子ども連れでの参加は昨年度以上にあり、また“地熱”というキーワードの認知度が高まって来たことも相まって、予想以上に学習コーナーに興味を持ってもらうことができました。また、そうやって人が集まっているとさらに人が寄ってくるという効果で、大いに賑わう結果となりました。その様子は、今回のフェスティバルの展示の中でも目を引いたようで、地元テレビ局のニュースでも(一瞬ですが)取り上げて頂きました。マスコミにおいても、“地熱”というキーワードが注目されていることが伺えます。

今回、このコーナーは入社二年目の社員と事務系職員の2名で担当してもらいました。昨年度同じコンビですが、今回で3回目ということもあり、説明も手慣れて来ています。参加した子ども達にも喜んでもらえたと思います。地熱・地中熱というキーワードへ関心を高めていく努力、こういった地道な努力もいずれ花開くと信じて継続していきたいと考えています。

3.新しいチャレンジを盛り込む~手づくりパネルで親近感~

今回の出展にあたり悩ましかったことがあります。これまで、地中熱のPRに際して大きな役割を果たしていた、産総研作成の「地中熱模型」が貸出不可になったことです。老朽化と度重なる輸送による破損等が原因です。非常に出来のよい模型で、昨年の展示会、今年8月の民間展示会では、集客に大きな効果を発揮しており、大変お世話になりました。貸して頂けなくなったのは致し方ありませんが、何かその代わりを準備する必要がありました。

そこで準備したのが、「手づくり地中熱パネル」です。フェスティバルの準備、段取りを担当してくれた事務系職員が作成してくれました。当社の公式ゆるキャラ“キョグちゃん”を使ったアットホームな雰囲気漂うパネルは、来場者の方のハードルを低くし、説明者としてブースに立っている我々も声をかけやすくなりました。この催しが専門家相手の展示会であればまた違ったアプローチがあるかもしれません。しかし、対象は一般市民の方々です。来場者は誰なのか、誰に何を説明したいのか、をイメージした上で説明方法を考える。企業が商品を売る上で当たり前のことが、この展示会でアピールする際にも当てはまるのだと思います。

手づくりパネルの準備は、ほとんどお任せで作業してもらいました。分からないながらも自分なりに理解し、工夫して準備してもらったことは、当社の地力の底上げにつながっていると思います。改めて協力してもらった社員に感謝したいと思います。

手づくりパネルで親近感を演出

当社の展示会出展は、昨年このフェスティバルに初めて参加した後、今年8月の民間企業主催の展示会への参加を経て、通算で3回目となりました。3回ぐらいやっていくと、さすがに準備も手なれた感があり、同じ内容であれば短時間で準備、撤収できるようになりました。また、来場されるお客さんへの応対も経験を積み、短い時間でより的確に提案するものの意図を伝えられるようになってきました。経験を積むことの重要性を改めて感じるところです。また、社内における認知度も高まり、多くの社員が家族連れで応援に来てくれました。地熱・地中熱という新分野への取り組み。継続する中で社内にも少しずつ浸透し、社員も一丸となって応援してくれるようになったことを大変うれしく感じています。今後ともしっかりとした結果を出せるよう、引き続き取り組んで行きたいと考えています。

2014
11.12

社長の温泉めぐり69 霧島温泉 鹿児島県鹿児島市

私はさほど風呂好き・温泉好きではありませんが、温泉開発を行う会社の社長として、温泉に詳しくなければ説得力がありません。そこで、仕事や私用で出かけた先で温泉を巡り、少しずつ記事にしていくことにしました。温泉ソムリエらしいコメントにも配慮したいと思います。

69箇所目は、鹿児島県鹿児島市の「霧島温泉」です。訪問日は、2014年11月8日です。前日まで研修で鹿児島を訪れる機会があり、この日は九州新幹線で帰途に就く行程でした。ところが、午前中に桜島の観光に出かけたものの、地元の方も“いい経験をされましたね”とおっしゃるぐらいの大量の火山灰を浴び、鹿児島を離れる前にぜひ一風呂浴びてから、という話になりました。そこで鹿児島中央駅周辺の温泉を探したところ、インターネットで発見し、立ち寄ったという経緯です。ちなみに、鹿児島県には霧島温泉郷という大きな温泉地があるそうですが、そこではありません。

霧島温泉 施設外観

霧島温泉は、鹿児島市内にある温泉施設ですが、いわゆる「銭湯」です。施設入口は男女別に別れ、真ん中に番台がありお金を支払って中に入ります。後述しますが、鹿児島市内にはこういった温泉銭湯がいくつかあるようです。外観は特別目立ったものはなく、比較的大きな道路沿いにありましたが、知らなければ温泉施設だと気が付かずに素通りしてしまいそうです。

浴室内は昭和の銭湯の雰囲気たっぷり、昔懐かしい気持ちにさせてくれます。中央に構える浴槽は、最大で10数人ぐらいは入れる長方形の形状、真ん中に仕切りがありますが水面よりは下にあり、風呂としてはつながっています。一部ジェットバスとなっている面があります。奥には源泉の注ぎ口があり、飲泉用の柄杓がおいてありました。奥の一角には水風呂があり、また入口わきにはサウナも備えてあります。シンプルで、まさに“銭湯”という趣満点です。なお、通常銭湯というと入口奥に浴槽があってその壁面に絵(富士山とか)が書いてあるようなレイアウトをイメージしますが、ここは中央に浴槽が座り、周りを洗い場が取り囲みます。コンパクトな施設なので、このレイアウトの方が合理的だなと感じます。また、となりの女湯とを仕切る壁の高さが低く、ちょっとよじ登れば簡単に隣を覗けそうなぐらい。これも昔ながらの雰囲気を高めています。浴室内の写真は撮影していませんが、インターネット上には他のブロガーの方がまとめられた記事を見ることができますので、興味をお持ちの方はそちらで是非ご確認下さい。

霧島温泉の泉質は、塩化物泉。成分総計2.904g/kgで、塩化物イオンが中心をとなります。加水はされていないということで、口に含むと塩気を感じます。塩化物イオンの“パック”効果で湯ざめしにくい温まりの湯、また、phは8.3と弱アルカリ性を示し適度な美肌効果が期待されます。前述のとおり一部ジェットバスがありますので、循環式を採用していると思われますが、湯の注ぎ口からは源泉が常に補給されており、入浴感からしても、お湯の鮮度はかなり高い印象です。塩素臭もありません。また、源泉は飲用可となっています。島根県内では飲泉可となる温泉はほとんどありません(保健所の運用の違いによる)が、他地域に行くとこういった飲泉可の温泉に巡りあえるのも楽しみの一つです。

洗い場は20箇所。浴槽を取り巻くように設置されています。もちろん仕切りなどはなく、シャンプー・リンス・せっけん等も設置されていません。そして、このカランとシャワーが昔ながらの風情があり、とても魅力的です。カランは、お湯と水との二つの蛇口があり、それぞれに前に押し込むタイプのレバーがあり、右・左両手で同時に押し込むと、お湯と水とが風呂桶に溜まり、ちょうど適温になります。左右の力加減で温度を微調整したりするのでしょう。ちなみに、お湯は温泉水がそのまま使われています。シャワーは、洗い場の上方に吹き出し口が固定されているタイプ。吹き出し下にレバーがあり、それを捻るとシャワーが出ます。こちらはさすがに適温に調整されていました。これもお湯は温泉水が使われていました。なんとも味があるカランとシャワー、現在は温度調整付のカランとホースの付いたシャワーヘッドが当たり前です。しかし、ここに来ると、そんなもの無くても実用的には差し支えない、むしろ、多少不自由だからこそ、人それぞれ工夫して使い方を学ぶのではないか、とさえ感じさせてもらえます。

ロッカーは鍵なし扉付のものが20箇所程度、さらに脱衣籠もありました。貴重品は貴重品ボックスに入れ、鍵を番台に預けるスタイルです。ドライヤーは1器備えてあり、30円で使用できます。更衣室もコンパクトですが清潔感があり、とても好印象です。

利用料金は、大人390円(だったと思う)。他の来訪者の方がまとめたブログ等を確認したところ、もう少し安い値段の記載もありましたが、消費増税に伴い値上げをされたのかもしれません。さて、この霧島温泉、スーツ姿で見るからに来訪者の私たちを気持ちよく迎えて下さいました。まず、タオルを持参していない我々は、フェイスタオルを購入しようと番台のおばさんに声をかけたのですが、「貸してあげますから、終わったら洗濯機に入れておいて下さい」とのこと。また、シャンプー、リンスー、ボディーシャンプーも、脱衣場に備え付けのものを貸しますから、戻しておけばいいですよ、とのこと。ここはいわゆる温泉銭湯ですから、こういったものは通常は持参が基本。持っていなければ、購入するのが一般的だと思います。しかし、快く前述のような対応をして頂きました。とてもすがすがしい気持ちで入浴できました。本当に感謝です。

施設内の掲示(あまり写真撮れなかったので)

鹿児島県は、日本でも有数の温泉数を誇る都道府県の一つです。日本温泉総合研究所のデータによると、泉源数で全国第二位(一位は大分県)、湧出量で第三位(一位は大分県)、となっています。鹿児島市内にもかなりの源泉数があるようで、よく調べるとこの霧島温泉のような温泉銭湯と思われる施設が市内各所にあります。大分市や別府市を訪れた際にも同様の風景に出会いますが、都市の日常生活に銭湯という形態で温泉が密接に係わっている姿はとても羨ましく感じます。我が山陰地方では、日帰り温泉は公的な温泉入浴施設を利用するのが一般的であり、地域性の違いを改めて感じます。こういった環境の違いも訪れてみればこそ分かること。銭湯一軒お邪魔しただけですが、せっかくの機会、一歩足を伸ばし、見聞を広めることの大事さを改めて感じたところです。

2014
11.05

2014年10月4日、松江市の保健センターから保健師の朝倉さんに来社頂き、社内での健康講座を開催しました。社内でこのような形で講座を開催したのは、私が社長に就任してからは初めての試みでした。今回、総務部の社員が自主的に企画・立案してくれました。社員にも大変好評でしたし、私自身も自分自身を変えるきっかけを頂きました。普通の会社なら年に一度ぐらいは開催されている当たり前の取り組みかもしれません。しかし、そういった取り組みが持つ意味を改めて考えさせてもらえる、いい機会となりましたので、感じたことをまとめておきます。

保健師の朝倉さんによる講義

1.受動的な健康管理から能動的な健康づくりへ

これまでの当社の健康管理は、基本的に社員の自主的な取り組みにゆだねられていました。毎年健康診断(40歳以上は人間ドック推奨)を実施し、数値がよくない社員に対する指導は一般の保健指導にお任せする。そして、その後の改善は社員の判断にゆだねます。今回の講座は、そういった状況に対して、“それだけでいいのか?”という問題意識から、総務担当者の立案により企画されたものです。

内容ですが、今回は初回ということで健康管理全般を対象とした企画とし、各人でのセルフチェックを中心にとしたカリキュラムとなりました。それがとてもよかったと感じます。自分自身の最新の健康診断(又は人間ドック)結果データに基づき、特に重要視すべき指標について説明して頂き自分でチェックする、というワークが特に好評でした。健康診断結果などで示される各種データは、説明書きもありますので、なんとなくは知っているものですが、その数値が悪くなると一体どういう変化が体に起こるのか、という話とセットで自分自身の数値をみることで理解が深まり、また、改善に向けた動機付けも強くなると実感しました。

実施してみて感じるのは、社員全員で一緒に学ぶことの効果も含めて、受動的な健康管理から能動的な健康づくり、への転換につながるのではないかという期待です。健康診断後の保健指導は自分自身のことにも関わらず面倒くさく感じるものです。それに対し、今回のような講座形式で、社内の同僚の反応もみながら自分自身のデータを見ると気が付くことも多々あるように見受けられました。そこから、何か一つでも習慣や生活を“変える”ことにつながれば成功だと考えています。

誰しも年齢を重ねると体の不調が出てきやすくなります。当社でも繁忙期になると体の不調を訴える社員も出ます。会社としても出来るだけフォローしていきますが、そのベースとして日頃からの自分自身での健康管理が重要な事は間違いありません。そして、その健康管理は、能動的でなければ長続きしません。だからこそ、こういった企画を定期的に開催し、そのモチベーションを継続させていくことが大事ではないかと考えています。

2.骨密度測定からみる当社の健康状態の「見える化」~社長が一番不健康~

今回、健康講座の後、「骨密度測定」を実施して頂きました。

骨密度とは、カルシウムなど骨を構成する成分がしっかりと詰まっている程度を示すもので、端的には“骨の強さ”を表す指標です。これが低下すると骨がもろくなり、いわゆる骨粗鬆症などの病気になり、骨折しやすくなります。一般的に、20代でピークを迎えた後は、徐々に低下し、基本的に増えることは無いものだそうです。ですから、これが減らないように、食事も含めてきちんとした生活を送ることが重要になります。

この骨密度について、講師の保健師さんに測定機を持参頂き、大半の社員が測定してもらいました。結果は、かなり良好で、各年代の平均値を大きく上回る社員がたくさんいました。お互いの骨密度を比較し合い、大いに盛り上がりました。一方、私は同世代の平均の8割程度。危険領域とまではいかないようですが、これから十分注意していくことが必要なようです。いずれにしても、社員の大半の数値が良かったのは率直に嬉しい結果でした。現場でしっかり体を動かすことの多い職場ですから、弱っている人は多くないだろうとは思っていましたが、結果を見て一安心です。

これも「見える化」の一つだろうと思います。健康診断データ等を共有することはできないにしても、あまり差し支えのなさそうな指標・データであれば、お互いに見せ合うことができます。そのことで、より深く自分自身の意識に刷りこんでいくことができるし、自分自身を変えるきっかけになりうるのではないでしょうか。

3.仕事以外の共通の学びの場が持つ意味

会社での「仕事」は、社員全員で行うものであり、共通するものです。一方で、担当している個々の仕事やその領域は一緒ではありませんので、“全社員が一様に勉強する”機会は必ずしも多くありません。例えば、総務経理や営業を担当する社員と、技術的な領域を担当する社員とでは、仕事に関して勉強する領域は異なります。

それに対し、今回のような“健康”というテーマは、全社員共通です。全員にとって等しく必要な勉強テーマであり、理解しておくべき事項であると言えます。これを一緒に学ぶ、ということが大事であり、それを学んだことで共通認識が生まれてくる、ということに意味があると感じたところです。

社員とは、同じ組織で、同じ目的に向って日々一緒に過ごす仲間であり、チームである訳ですから、何事においても“共通認識”を持つことは重要です。健康をないがしろにする会社はあまりないかもしれませんが、「おれは健康なんかどうでもいい」という社員が居てもらっては困ります。今回はたまたまテーマが健康でしたが、やはり会社として進める方向性は、仕事内容に直結するものであろうとなかろうと、社員全体で共通認識を持って進めていかなければならないと考えています。

自分のデータに基づいてワーク

今回の健康講座、社員にとっても好評だったようで、この日の日報には健康講座を受けた感想や自分自身の改善点についてたくさんの記述がみられました。とかく仕事のことばかりになりがちな会社での日常に、そのベースであるにもかかわらず忘れがちな“健康”への関心。それを呼び戻してもらえたように感じています。私も、この講座の後、カルシウム分の摂取に気をつかうことと、塩分の取り過ぎにならないようラーメンの汁はあまり飲まないように(笑)しました。そういった“変化”を起こせたのは、この講座のおかげです。そして、こういった企画が総務を担当する社員の自主的な取り組みとして実施されたことが、なにより嬉しく思います。引き続き様々な企画を立案してもらいたいと願っています。