2014
12.25

温泉めぐりのブログも、この年末で通算69箇所に達しました。

と言いながら、2013年末では51箇所だったので、この1年では8箇所しか増えていません。2011年から2013年までの3年間は年間11箇所(たまたま同じ数字)のペースでしたが、今年はついに一ケタになってしまいました。島根県内の温泉は段々とネタが尽きてきて、気軽に行けるところが減ったのは確かですが、もう少し頑張らないといけません。このところ一年間の訪問数が少なすぎて“総括”にならないのですが、毎年最後のブログネタとしては継続したいと思い、この1年に廻った温泉の中から、「泉質」、「たたずまい」、「健康」、の3つの観点で1つずつ選んでみました。

1.源泉かけ流しで大地の恵みを受け取る黄金の湯~塩ヶ平温泉(まめなかセンター)~

“泉質”の温泉として取り上げるのは、「塩ヶ平温泉(まめなかセンター)」(島根県雲南市掛合町)です。

「まめなかセンター」という方言を上手く取り入れたネーミングに思わず癒されます。それはさておき、施設前にある看板には「黄金色の湯」と掲げられ、また、入口を入ると、「居ながらにして、日本の名湯 熱海温泉、片山津温泉と同じ浴用効果が楽しめる塩ヶ平温泉」というタイトルの説明書きがありました。それだけ成分的に特徴のある温泉としてアピールされています。

塩ヶ平温泉の泉質は、成分分析表によると、ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩冷鉱泉で、phは6.3と中性からやや酸性よりです。成分的には、塩素イオン、炭酸水素イオンの含有量が高いのが特徴で、成分総計は6.57g/kgと比較的濃い目の温泉と言えます。口に含むとかなりの塩気が感じられます。また、溶存ガスとして遊離二酸化炭素572mgが含有されているのも特筆すべき点です。“二酸化炭酸泉”は名乗れませんが、源泉かけ流しで供給されていることも相まって、血管拡張作用による血行の促進効果はかなり期待できると思います。さらには、塩化物泉の特性として、塩の“パック”効果で湯ざめしにくいこと、ナトリウム-炭酸水素塩泉の特性として、皮膚の表面を軟化させる作用があり、皮膚病や火傷、切り傷によいとされます。また、皮膚の油脂分泌物を乳化して洗い流すことにより、石鹸のように皮膚が洗浄されることが期待できます。泉質的には多様な効果が期待でき、まさに“地域自慢の名湯”と言って過言ではないと思います。

また、源泉温度は21.2℃と表示があります。この冷鉱泉を源泉かけ流しで供給しているようで、21℃ほどの冷泉を常に加温しながら補給し続けるのは中々大変だろうなと思います。しかし、これだけの泉質、特に遊離二酸化炭素の含有量が多い温泉であり、かけ流しで使ってこそ温泉の意味が出てくる(二酸化炭素のガスは直ぐに空気中に逸散する)ので、この運用が末長く続けられることを願いたいと思います。

インターネットを検索すると多くのブロガーがこの温泉について綴っています。それだけたくさんの温泉ファンの気持をつかむこの温泉、これを目的地にこの地域を訪れてもいいのではないかというぐらいです。

塩ヶ平温泉~黄金の湯~

2.昔ながらの銭湯スタイルで楽しむ街ナカ入浴~日乃丸温泉~

温泉の雰囲気・たたずまい、という観点で取り上げるのは、“街に湯が湧く天然温泉”がキャッチコピーの日乃丸温泉(鳥取県鳥取市)です。

日乃丸温泉は、鳥取市の中心市街地内にある温泉で、昔ながらの銭湯のスタイルを残す温泉です。鳥取市中心部にはこの日乃丸温泉以外にもいくつかの温泉施設があります。明治時代に飲用の井戸を掘ったところ温泉が湧出したのがきっかけとされ、一時はかなりの数の施設があったようですが、現在では数軒にまで減少しています。県庁所在地の中心部に温泉が湧き出るというのは、貴重な環境と思います。そういったこともあり、インターネット上には様々な訪問記事があり、注目度が高いことが伺えます。

湯船は石造りで長方形のシンプルな形状ですが、向かって右側が一部深くなっており、知らずに入ると最初はびっくりしますが、より深く肩までお湯に浸かる事が出来ます。シャワーはレバーを横に引くと適温のお湯が出る(温度調整なし)スタイルで、このシャワー水も温泉水が使われていました。レバーでお湯を出すという作業がノスタルジックで心地良いです。湯量が豊富で温度の高い温泉だからこそ、こういう使い方が出来ます。そして、休憩室内の冷蔵庫に並ぶコーヒー牛乳やフルーツ牛乳は、いかにも銭湯というレトロ感を際立たせており、なんだか懐かしい気分にさせてもらえます。

営業時間は朝6時から深夜12時までという長丁場で、朝風呂から深夜仕事帰りの入浴まで、かなり広範な利用が可能です。なお、道路一本挟んだ向かい側は夜の繁華街ですので、勢いで“〆に温泉”という利用を思い付きそうですが、飲酒した後の温泉入浴はやめましょう。飲酒後或いは飲酒しながらの入浴は、血行が急によくなったり血圧が急上昇したりするので危険です。さらに、言うまでもないことですが、泥酔しての入浴は事故の危険性もあるので絶対に避けましょう。

夜の繁華街にたたずむ日乃丸温泉

3.ホルミシス効果を最大限に享受する造り込みが魅力~三朝温泉(株湯)~

“健康”温泉として取り上げるのは、「三朝温泉(株湯)」(鳥取県三朝町)です。

三朝温泉は、開湯から850年を誇る鳥取県の名湯の一つです。「世界有数のラドン含有量」を誇り、古くから湯治場としても利用されていきています。現在、現在、大小24の宿泊施設が営業され、3箇所の公衆浴場があります。株湯は、三朝温泉の起源と言われる公衆浴場です。ここでは、放射能泉を最大限に活用している、“株湯”の施設の造りを中心に紹介します。

株湯の浴場内は、かなり密閉度が高く、入った瞬間、かなりの蒸気で満たされているのが感じられます。これは放射能泉を最大限に活用するために非常に重要です。ラドンとは、温泉中に含まれるラジウムが地上に出た際に分解されて生じる弱い放射線のことです。これを体に浴びたり、呼吸したりして体内に取り込むと、新陳代謝が活発になり、免疫力や自然治癒力が高まると言われています。その効果を「ホルミシス効果」と呼び、放射能泉の有する大きな特徴の一つです。

ラドンは、すぐに空気中に逸散してしまいますので、それを逃がさず体内に取り込めるような仕組みが必要となります。その効果を最大限に発揮させるため、コンパクトで密閉性の高い浴室に蒸気を満たすのが、一番理にかなっています。また、源泉かけ流しで運用されているのですが、新しいお湯は浴槽下から湧き出るような仕組み(足元湧出)になっています。この方法だと、源泉から新しいお湯を投入する際に、できるだけ空気に触れないようにしながら新鮮な源泉が浴槽に満たされます。ラドンの空気中への逸散を最小限に抑える意味で、有効な方法だと考えられます。地域の方が利用する公衆浴場だからこそ、健康維持のために最大限の配慮がされているのでしょう。

ホルミシス効果抜群の株湯

今年選んだ3つの温泉の中に鳥取県の温泉が2つあります。島根の温泉はかなり回ったので、最近はターゲットが近県に移っている面もあります。いずれにしても、温泉はその地域の地下から湧き出る貴重な資源です。地域によって多様に活用され、様々な形で地域の役に立っています。近年ではエネルギーの側面からも注目されていますが、鳥取県は島根県に比べると高温の温泉地が多く、より期待される地域です。総括では、限られた温泉の中からあえて3つ選んでいます。すべて私の主観ですので、ご承知置き下さい。少しでも、ご覧頂いている方の参考になれば幸いです。右肩下がりの年間訪問数をV字回復できるよう頑張っていきたいと思います。これからも温泉めぐりのブログ、そして協和地建コンサルタントをよろしくお願いします。

〔2014年温泉巡り一覧〕

69 霧島温泉 鹿児島県鹿児島市

68 はわい温泉(ハワイゆ~たうん) 鳥取県湯梨浜町

67 新千歳空港温泉 北海道千歳市

66 塩ヶ平温泉(まめなかセンター) 島根県雲南市掛合町

65 街に湯が湧く天然温泉「日乃丸温泉」 鳥取県鳥取市

64 東郷温泉(ゆアシス東郷龍鳳閣) 鳥取県湯梨浜町

63 湯屋温泉(リフレパークきんたの里) 島根県浜田市金城町

62 三朝温泉(株湯) 鳥取県三朝町

2014
12.19

2014年10月25日(土)~26(日)、島根同友会の第15期経営指針成文化セミナーが開催されました。現在、2015年2月の成果発表会に向けてフォローアップを開催中です。島根同友会の経営指針成文化セミナーでは、受講生(今回は6名)1人に対して、2名のアドバイザーを付け、経営指針取りまとめまでの約半年間フォローアップをしていきます。フォローアップとは、経営指針を構成する、経営理念、経営方針、経営計画のそれぞれの具体的な内容について、助言・意見交換しながら一緒に指針を創り上げていくという役割で、この経営指針策定にあたり、このアドバイザーの果たす役割には大きなものがあります。今回、私も2名の受講生の方からアドバイザーの指名を頂き、フォローアップに取り組んでいます。アドバイザーもまた大いに勉強させて頂く機会になります。その気付きについてまとめてみます。

フォローアップセミナーの資料

1.自分のことは分らない

私もそうですが、自分で自分のことは中々分りません。他人から教えてもらうからこそ分ります。

これは経営者を務める人も多かれ少なかれ同様(突き抜けてスゴイ方は別でしょうが)ではないでしょうか。だからこそ、このセミナーで“アドバイザー”を付ける意味があります。「自分」を「自社」と置き換えても同様です。自社のことは自社では分らないことがあります。外から見て頂くことで初めて認識できることがあります。だから、同友会の取り組みでも自社の状況を包み隠さず外部に示し、そこから多くの助言や指摘を得る。同友会でよく指摘される「自分の立ち位置を知る」とは、そういうことでしょう。

私もアドバイザーを引き受ける以上は、担当した受講生の方が素晴らしい経営指針を策定し、経営を飛躍させてもらいたいと考えています。だから、自分のことは棚に上げてでも、率直に指摘させてもらっています。物言いがきつい時もあるので、気分を害されたこともあるかもしれません。しかし、アドバイスを聴き入れて下さる方々について感じるのは、自社のことをいい面も悪い面も他人に示し、それに対する意見を受け入れて下さる、という懐の深さです。言いかえれば、セミナーを受講する方は、それだけ必要に迫られている、それだけ何かを求めている、ということでしょう。その想いに少しでも応えていけるよう、サポートしていきたいと考えています。

そしてそういう経験をしながら自分を振り返った時、最近、他人の意見を聴くということが少なくなっているのではないか、と反省します。私も自分のことは分かりません。ある時期、様々な方に助言を頂いていましたが、最近は少し自分で出来るような気持ちになって、おろそかになっているように感じます。そういった自分自身に置き換え、見つめ直す機会を頂けるのも、この経営指針のアドバイザーを引き受けるメリットではないかと考えています。

2. 隣の芝生は青く見える

経営指針成文化セミナーを受講される方は、他社のこと、あるいは他社の経営者のことを羨ましく感じている場合があります。

他社はあんなに素晴らしいのにどうして当社はこうなんだろう、あの経営者は素晴らしい。なのに自分はどうしてダメなんだろう、というやつです。もちろん全員ではありませんが、経営者も一人の人間。隣の芝生が青く見えるのはむしろ当たり前。私も常にそういう気持ちとの戦いです。だから、経営指針のアドバイザーを務める際には、受講生のみなさんが“隣の芝生は青く見える”状況に陥っていないか気にかけ、もしそうであれば、そこから抜けだすことのサポートに注力します。

なぜ、隣の芝が青く見えるのかと言えば、それは、自社の経営が思うようにいかないからであり、今まで自分がしてきたことや、現在の自分に自信を失いかけている、ということだと思います。しかし、経営者に自信を失っている時間はありません。人をうらやむ時間があれば、自分の芝生の手入れに精を出すべきです。私も自分自身にも常に言い聞かせています。

もうひとつは、青い芝生という表面の現象だけを捉えて、その芝生を青くするための努力には目が向いていない、ということがあります。やはり、芝生が青く見える会社は、それだけの努力をされています。その表に出てこない努力がどういったものなのかを知ることこそが必要なことでしょう。また、社歴の長い会社であれば、現在のことだけでなく、先代、先々代からの努力の積み重ねで今がある、という場合もあるでしょう。そういう場合は、過去を比較することにとらわれてしまい、これからどうするのかという視点に目が向きにくくなります。過去は変えられません。自分がどう未来を切り開いていくのか、そこに注力すべきです。

と言った話は、前述のとおり私自身のことは棚に上げた話です。社長を引き継いだ当時の私は、思わしくない業況を悲観して他社を羨ましく想い、業況が思わしくないことを先代のせいにして批判していました。そういう時期を越え、羨望や批判を少しずつ抑制できるようになりはじめてから、様々なことが少しずつよくなってきたと思います。わずかな経験ですが、受講生のみなさんに少しでもお伝えできたらと考えています。

3.結局は社長の想いで決まる

セミナーの最初と最後で大きく変化した経営者の姿がみられるのも、この成文化セミナーの楽しみです。見ている側が大きな刺激を頂けます。

島根同友会に経営指針成文化セミナーは、最初に2日間のセミナーで経営指針の素案を作成し、その後3カ月間のフォローアップでアドバイザーと一緒に内容を精査(1カ月ごとに経過発表)し、最後に成果発表会を開催する、という流れで実施しています。

受講生は、およそ5カ月間をかけてそれぞれの経営指針を策定する訳ですが、その5カ月は、これまでの人生の棚卸しでもあり、今後に向けた決意を固める期間でもあります。そして大きいのは悲観的、マイナス思考から、前向きな成長志向への変化することによる受講生(経営者)自身の変化です。島根という地域性もあり、この地で事業を営む中小企業の経営は決して良くはありません。受講前の発想は、右肩下がりで当たり前、縮小均衡の市場でどう維持していくのか、といった視点が前提になりがちです。私が経営指針成文化セミナーを受講した際も、そういった心境でした。

しかし、経営指針を策定して経営に取り組む以上、マイナス成長、リストラ、廃業、といった発想はありえません。廃業するつもりなら経営指針など創る必要もありません。だから、どんな明るい未来を描くのか、どうやって維持発展させるのか、を考えることになり、最初のマイナス思考はいつしか影をひそめます。それは、経営者の心の変化そのものであり、経営者自身が明るい未来を想うということであり、前を向く決断をするということです。成文化セミナーの最大の成果はその一点といっても過言ではありません。毎回、セミナー最初の姿と、成果発表会の時の姿、発表を通じて感じる気持ちの強さの違いに驚かされます。

会社の経営は経営者で決まる、と言いますが、それを受講する側も、周りでサポートする側も実感できる機会と言えます。そして、そのサポートにかかわり続けることで、自分自身の気持ちをブレさせず、経営指針に即した経営を継続する勇気をもらうことができるのも、アドバイザーを務めるメリットだと考えています。

第15期の経営指針成文化セミナーはやっと工程の半分が過ぎたところです。フォローアップでは、経営理念にはじまり、経営方針・戦略、経営計画、とより具体的な取り組みに落とし込んできます。そうなると、アドバイザーや会員からの助言、アドバイスもより具体的なものとなり、さらに精度が高まっていきます。島根同友会では、経営指針策定し、経営を伸ばすたくさんの中小企業が島根の地に誕生することが、島根全体の発展につながると考えています。地域全体が活性化することでこそ、地域で事業を営む企業の発展、生活する社員の幸せにつながるはずです。そう信じて、一歩一歩、経営指針策定の取り組みを続けていきたいと考えています。

2014
12.11

2014年11月21日(金)、島根同友会主催の中堅社員研修が開催されました。昨年の幹部研修に続き、今回は“中堅社員研修”という位置づけで企画されたものです。限られた人財の中で事業営む中小企業では、各社の仕事の中核をなす中堅社員のみなさんがどう活躍するかで、会社の業績が左右されると言っても過言ではありません。今回、講師陣として、(株)Woman’s 代表取締役 宮崎結花さん、はっぴいきゃりあ 代表 越野由美子さん、(有)willさんいん 取締役 金築理恵さん、の3名の講師陣(いずれも同友会会員)を迎えての本格的な研修会となりました。当社からは4名の受講者が参加し、中堅社員としてどうあるべきかを学びました。私も聴講参加していましたので、研修会前後の取り組みも含めて気づきをまとめておきます。

研修全体の様子~グループに分かれてワーク~

1.経営理念について語りあうことの意義~社長の想いは伝わっているのか~

この研修への参加に先立ち、「自社の経営理念についてその背景や趣旨について社長の考えを参加者がヒアリングし、その感想をまとめてくる」という事前課題がありました。これが非常に意義あるものだったと感じています。

この課題に対応するため、当社の参加予定者3名(1名は仕事の都合で不参加)に対し、私の口から改めて当社の経営理念策定の趣旨、策定時の想い、その後(策定後3年が経過しています)の社長自身の総括、について説明する時間を持ちました。そこで改めて感じたのは、経営理念を含めた経営指針(経営理念、経営方針、経営計画)について、繰り返し語ることの重要性です。今までも経営指針発表会などの場で説明をしてきています。しかし、私の想いや考えは社員にはさほど届いていません。そういうものだと聴いていましたが、やはりそうでした。そして浸透には策定してから10年はかかる、というのが同友会でよく聴く話です。当社も策定から3年目ですので、順当なところかもしれません。

しかし考えるべきは、仮に浸透に平均的に10年かかるとして、そのスピード感で会社は大丈夫なのかということです。そして、「どうせ10年はかかるから」といって浸透のための努力を怠るいい訳にしていないか、ということではないでしょうか。浸透のための努力、それはあらゆる機会で、理念を策定した趣旨と想いを繰り返し説明すること。そして理念に即した経営を実践し、経営の変化として社員に示し続けることでしょう。そう考えた時、説明の一手法として、研修の事前課題等の形態を採って「経営理念」をテーマに社員自身が考えるきっかけを準備することは、とても効果的ではないかと感じます。

今回、少人数で当社の経営理念について説明をした結果、「社長の考えが初めて分かった」という、うれしいコメント(笑)を頂きました。3年前に理念を策定し、毎年経営指針発表会や社内会議等で説明していますが、それでもその程度ものだということです。だから、もっと社長が頑張らなければならない。それに尽きます。理念が浸透しないのは、社員のせいではなく社長の努力不足です。その力不足に気づかせて頂く、貴重な機会だったと考えています。

2.多様な業種の方々と社員が触れ合うことの重要性~機会を創り、提供する~

研修終了後、社内に戻ってから受講者とフォローアップを兼ねた面談の時間を持ちました。そこでは、他社の社員のさまざまな発言が記憶に残っていると口々に聴きました。

業種、職種は違っても、一社会人として「仕事」というものに対してどう向き合うのか、そこには共通したものがあるはずです。研修に参加した各社の中堅社員がどのような姿勢で仕事に取り組み、また自社の経営理念をどう理解して自分のものにしようとしているのか。その話を聴くことで、自社そして、なによりも自分の立ち位置を知ることができます。そして、単なる異業種交流ではく、「中堅社員研修」という位置づけであること、さらには経営理念について学ぶ機会の中で、意見を聴くことに大いに意義があったと考えています。

私に限らず、中小企業の経営者は何らかの形で同業種・異業種を問わず社外の方々と交流する機会がたくさんあり、個々の交流の機会において様々な刺激や気付きを頂くことがあります。しかし、企業で働く一社員においては、取引先やお客さまとの関係は多少なりともありますが、経営者に比べれば限定的であることは間違いありません。製造業の現場で働く方など、業種によっては特に少ない場合もあるでしょう。そんな中でどう学ぶか。それは、やはり経営者が機会を創り、提供していくしかありません。

同友会の研修に限らず、様々な方のさまざまな考え方を聴く機会は大変貴重です。日々の仕事に追われていると、おっくになる場合もあると思います。しかし、その貴重な時間を使うからこそ、何かを感じて、得て帰ってもらわなければならない。そこは事前にきちんと話をしておくべきところだと考えます。そして、自分自身の意見を他人にぶつけてみるという機会も大変貴重です。口に出して話すことで自分自身の考えがまとまる、ということも多々あります。今後は、こういった研修の機会を創出し、社員のみなさんに提供していきたいと考えています。

3.他社の中堅社員は若い~仕事を任せた社員が中堅社員~

今回は「中堅社員」研修でしたが、およそ20名の受講生の面々をみて、“中堅社員”という定義もかなり幅が広いものだと感じました。当社からの受講生はいずれも40代で、バリバリの中堅社員です。しかし、それを「中堅」と思うのも私の固定概念でした。

他社の中堅社員はいずれも若い、というのが率直な感想です。20代でも中堅社員として参加している方がたくさんいらっしゃいました。会社自体が若いということもあるでしょうし、業種によっては年齢構成も異なってくるでしょう。しかし、サービス業では20代で店長として店を任され、自分自身の責任で店舗運営を行っている方もいます。中堅社員というよりも幹部社員と言ってよいでしょう。一方我々の業種では、2~3年である程度の仕事はできるようになっても、やはり10年ぐらいは経験を積まないと一人前とみなされない、という感覚があります。その感覚で、20代の若き中堅社員と接したときに、大きな刺激を受ける訳です。

私は、この研修を傍聴受講していて、中堅社員かどうかは年齢ではなく、どのように仕事を任されているかなのだと実感しました。考えてみれば当たり前のことなのですが、我々の業界の固定概念でとらえた社員の成長スピードと世の中のスピードは異なっている。やっている中身が違うので単純比較してはいけませんが、20代で店長を任された受講生の発言や研修への取り組み姿勢をみるにつけ、「役割が人を育てる」と言いますが、仕事を任せることが、若手社員を中堅社員に飛躍させる大きなポイントだと改めて実感します。そのかじ取りをどう判断するのか、経営者の手腕だということでしょう。

グループでの討議の様子

研修の最後は、受講生それぞれが「行動宣言」を発表して終了しました。経営理念を社内に、そして自分自身のものとするために、まず自分が何をするのか、受講生それぞれの立場で発表しました。当社からの受講者も心強い発表をしてくれました。大風呂敷な宣言は必要ないと思います。何か感じ、行動を起こそうと気付き、実際の変化として現れるところまでつながれば、それだけで成功だったと言えるのではないでしょうか。私も含めて、中々人は変われません。しかし、“どうせ変わらない”と決めつけるのではなく、変わる機会を創り続け、変わるきっかけを提供し続けることが大事ではないかと考えています。

2014
12.05

松江3S勉強会ではキックオフ大会の後、定例会を2カ月に1回開催しています。第2回定例会、第3回定例会が、それぞれ、2014年9月26日(金)、11月28日(金)に開催されました。会場は参加企業持ち回りで、第2回は(有)オーリーさん、第3回は、㈱プラチナさん、を対象に社内の“ウオッチング”を行いました。一緒に3S活動に取り組む他社の取り組みを見学することで、自分達の立ち位置が理解でき、さらなる取りみの活性化につながると感じます。また、一緒に行う講義では、「整頓」をテーマに前後編に分けて勉強することができました。この2回の定例会を通じた気づきを整理しておきます。

(有)オーリーでのウオッチング

1.5頓が揃って初めて「整頓」

第2回、第3回の講義では、3Sの二つ目のS、「整頓」についての基礎を学びました。

整頓とは、『必要なものを必要なとき誰でもすぐ取り出せるようにすること』と定義づけられます。また、整列と整頓は違うそうで、整列とは単に見栄えを良くすること。一方、整頓とは、ルールに則って常に同じ状態が保たれるようにすること、となります。

この整頓という言葉、日常的にも良く使われます。しかし、一見手法が分かっているようで、実態はあやふやだったりします。なんとなく、一人一人の感覚で整頓をしてしまっている場合があります。そのような状況を是正し、正しい定義に基づいた正しい整頓を実践していくことが、今回の勉強の中心になります。

整頓は、5つの“頓”に分けられます。それは、1)定位置、2)定方向、3)定量、4)表示、5)標識、の5つです。これが全て揃って、はじめて「整頓」と呼ぶことができるということです。簡単にまとめておきます。

一つ目は「定位置」。定位置とは社内の住所。郵便物が間違いなく自宅に届くのは住所が定まっているから。それに対して社内はどうなのか。社内のどの棚のどの位置なのか、住所を定めることからまず始まる、ということです。二つ目は「定方向」。方向も決めておく、ということ。バラバラだと使いにくい。あるものをこの方向に置く、と決めたら必ずそうする。三つ目は「定量」。例えば、備品等をまとめ買いするのではなく、定量になるように管理する、ということ。そのポイントは、誰でも手配できる仕組みを作ること。四つ目は「表示」、五つ目は「標識」。表示はモノに対するもので、標識は場所に対するもの。そして必ず一対を成すことが原則。「表示」は、これが何なのか、誰のモノ、どの部署のモノ、なのか、といったことを含めて表示することです。ハサミに“ハサミ”と表示するのではなく、“○○部”などと表示するという趣旨です。また、「標識」は、そのハサミをどこに置くのかを明記するということ。何の道具なのか、誰の道具なのかの表示があり、その置き場所に標識がある。それが一対を成していることが必要だということです。

5頓全て揃って初めて「整頓」。正しい整頓をしっかりと理解し、今後の社内における整頓に取り組んで行きたいと考えています。

2.(有)オーリー~不要物を徹底して撤去しスペースを生みだす~

第2回のウオッチングで伺った(有)オーリーは、タイヤ販売、買取、交換、預かりなど、タイヤに関することなら何でも対応する専門店です。

私も社有車のタイヤ交換は以前からこちらにお願いしています。かつては、タイヤ専門店だけに、商品在庫、買取分、預かりタイヤなど、大量のタイヤが所狭しと並んでいる、雑多な印象でした。しかし、今回初めて伺った頃と比べると社内の様子はずいぶん変わって来ていると実感しました。

タイヤというのはかなりの重量物ですし、スペースを取る商品です。オーリーの主力業務であるタイヤ交換においては、それを取り扱う動線が適切でなれければ、作業上も相当の無駄が発生してしまいます。仕事が繁忙だからといって、あらゆるところをタイヤの置き場にしてしまえば、一つの仕事をするためにわざわざタイヤを動かす、といった不要な作業が発生します。ウオッチングで来社した際には、その改善にかなり力を入れられたようで、不要物を徹底して撤去してスペースを生みだし、安全通路を確保してタイヤ等のモノを置くスペースと通路とを明確に区分する取り組みが行われていました。

基本的なことのようですが、これを徹底するためには大きな努力が必要です。講義の中でも話がありましたが、整理によって空けたスペースに新しいモノが置かれてしまう、ということがどの会社でも起こるようです。安全通路にしても同様で、「置かない」と決めたら絶対に置かない。そういったルールを守る風土づくりが、やはり肝になってくるようです。

3.㈱プラチナ~営業活動の進捗状況を見える化する~

第3回のウオッチング伺った㈱プラチナは、自動車の販売、整備等、自動車関連全般のサービスを取り扱う企業です。

プラチナは、およそ1年前(2013年2月)に新社屋を建設、移転したばかりで、社内はとても明るく、きれいな状態です。しかし、社屋が新しいことと、3Sが徹底していることとは必ずしも一致しない訳で、現在、備品の管理や事務スペースについて様々な取り組みが行われていました。お客さまと商談したり、待合などに使われるスペースは特にきれいに整えられていました。トイレの表示には「鏡、椅子あります」などと親切な表記があり、女性目線で細やかな気配りのあるところが好感を持てます。

私が興味深くみたのは、事務室内の取り組みです。営業主体の会社らしく、車の販売の営業が現在どの段階にあるのか、例えば、相談している段階、お客さまが検討している段階、結論待ちの段階、など成約までのさまざまな段階に区分し、各案件の状況が一目でわかるように、“見える化”されていました。当社のような公共案件主体の営業とは異なる部分もありますが、それでも、ねらっている案件としてどのようなものがあり、それがどういう段階(検討段階、予算化段階、発注前段階等)なのか、誰が担当しているのか、獲得のための確率をどう上げていくのか、等々の情報を見える化し、社内の営業に係わる要員で共有化するということの重要性を改めて感じました。

営業を主体とする会社では当たり前の仕組みなのかもしれません。しかし、それが当たり前ではない会社にとっては大きなヒントになります。異業種の取り組みにこそ学ぶべき点、気づきがある、ということを良く耳にしますが、それを実感することが出来ました。

㈱プラチナでのウオッチング

松江3S勉強会キックオフの後、計3回の定例会が終了しました。スケジュール的にも半分を過ぎました。後2回の定例会で、この勉強会以前から取り組みを進められている、(有)樋野電機工業、(有)曽田鉄工の2社にお伺いします。先進的に取り組まれている2社の取り組みを現場で見ることにより、今後の当社の推進に際して、さらにいい刺激を頂けるものと考えています。一方、当社内での取り組みも、3Sチームのみなさんの努力により、着々と進展しています。この勉強会が終了する1年後、大きく変化した社内を見渡しながら、さらなる飛躍に向けた意思決定が全員でできるよう、引き続き頑張っていきたいと思います。